こんにちは、ぽにあ(@poniashikaku)です!
前記事で囲碁のルールと勝敗の決着までの流れを説明しましたが、一番の難関である石の生き死にについては詳しく触れませんでした。
今回は囲碁においての石の生き死にについて説明していきたいと思います。
初心者向けの解説になっています。
前記事と合わせて理解すれば囲碁が打てる状態になります。
↓囲碁のルールと勝敗の決着までの流れについて(前記事)

一応今回は前記事の内容を把握した前提で進めていきます。
生きている石、死んでいる石とは?
生きている石とは相手から取られない石、死んでいる石とは相手から取られてしまう石のことを言います。
ちなみに囲碁では最終的に地が多いほうが勝ちとなりますが、この地というのは生きている石に囲まれている空間のことです。
黒い四角が黒の地、白い四角が白の地を表しています。
この写真の黒石と白石はどちらも生きている石、つまり取られない石になっています。
次にどのような条件で生き死にを判断しているのか説明していきます。
生きるための条件
生きている石とは相手に取られない石です。
取られないための条件として、前記事で説明した着手禁止点の要因が絡んできます。
着手禁止点とは生命線が全て塞がれている場所のことです。
つまり取られる格好をしている場所です。
具体的な例としては下のような感じです。
赤で示しているところには白は基本的には打つことはできません。
着手禁止点はこういう場所になります。
この着手禁止点が生きるために大事になってくるのですが、
結論から言うと着手禁止点が2つ以上あると相手から取られない、つまり生きている石になります。
↓具体的な例はこんな感じです。
上でいうと赤で示したところが着手禁止点になります。白から打つことはできません。
このように着手禁止点が2つある石はアタリにできない、つまり取られないので生きている石になります。
この着手禁止点を眼(め)といい、生きの最低条件として2眼(がん)が必要です。
ちなみに赤で示したところは生きている石に囲まれている空間なので2目の黒の地といえます。
と説明されてもピンとこないと思うのでまだ流す程度に読んでてもらって大丈夫です。
2眼未満の場合は?
生きるためには最低2眼が必要ということは先ほどお伝えしましたが、
2眼未満の場合、つまり1眼 or 0眼の場合はどうなのか。
この場合は相手から取られてしまうので生きている石ではなく、死んでいる石です。
復習ですが、生きている石とは相手から取られない石、死んでいる石とは相手から取られてしまう石のことを言います。
1眼の場合
この黒石は死んでいます。
というのも白から黒を取る手段があるからです。
上の画像で赤で示しているところは生命線が塞がれていて一見白からの着手禁止点に見えます。
ただ次の一手で相手を取ることができる場合(アタリのとき)、この着手禁止点に打てるというルールがあるので、白は赤で示した場所に打つことができ黒を取ることができます。
↑こんな感じで黒を取ることができます。
つまり最終的に黒石は取られてしまうので、1眼の場合は死んでいます。
0眼の場合
0眼の場合、つまり眼がない場合はどうでしょうか。
この場合も白から取られてしまうので、上の画像の黒石は死んでいます。
赤で示したところに白が打つと、黒が取られます。
こんな感じで取られます。
最終的にこの黒石はとられてしまうので、0眼の場合も死んでいます。
2眼の場合
それでは、もう一回2眼の場合を見てみましょう。
先ほどお伝えしましたがこの石は生きています。
生きているということは白から取ろうとしても取ることができないということです。
例えば、白から黒を取るために赤で示している場所に打ちたいのですが、着手禁止点なので打てません。
例外的に着手禁止点に打てるのは次の一手で相手を取れるときだけですが、今回の場合は赤で示しているところに白が打っても黒石をとることができないので白は打つことができません。
上も同様に赤で示しているところに白は打てません。
よって、白からはこの黒石を取ることができません。
つまり、この2眼の黒石は生きているということになります。
2眼もどき
2眼っぽいけど、実は2眼なくて死んでいる状態のパターンも紹介します。
2眼っぽいですけど、実は1眼です。
つまり死んでます。
ということは白から取ることができます。
白から黒石を取るには、まず赤で示しているところに打ちます。
ここは生命線が塞がれていないので着手禁止点ではありません。
このまま黒が放っておくと白から取られます。
現在すでにアタリの状態のなのです。
上の赤で示したところに打つと
黒は白から取られてしまいます。
ではここで黒が取られないようにするには
赤で示したところに打って、侵入してきた白を取るしかないです。
そうするとこの形になります。
これはわかりやすく1眼の形になりましたね。
黒石は白から取られてしまいます。
つまりこの形は2眼ではなく、ちょっとお部屋の広い1眼ということです。
欠け眼
2眼っぽいけど、実は2眼なくて死んでいる状態のパターンをもうひとつ紹介します。
これは一見黒は2眼あって生きているように見えます。
しかしこれは黒は2眼なくて死んでいる状態です。
実は緑で示している黒石3つがアタリになっています。
白から打つと
黒石3つが取られてしまいました。
さらに残りの黒石も1眼の状態です。つまり、死んでいる石、取られてしまう石です。
白から取られてしまいました。
赤で示したところは眼ではなく欠け眼といいます。最終的にアタリになってとられてしまうからです。
欠け眼は眼としてカウントしないので、黒石全体の眼の数は1つとなり死んでいます。
欠け眼の判断も初心者のうちはめちゃくちゃ難しいので実戦や問題集を解きながら石の形を覚えていくことが大事ですね。
上の画像を比較してみて違いを確認してみてくださいね。
ナカデ
あとは、相手から打たれると死んで、自分から打つと生きる場所があります。
そこを急所というのですが、例としてナカデといわれるものがあるのでこれも紹介しておきます。
ナカデも3目ナカデとか4目ナカデとか5目ナカデとか色々あるのですが、とりあえず今回は3目ナカデを説明したいと思います。
3目横に並んでますね。
この形は黒から打てば黒を生かすことができるし、白から打てば黒を殺すことができます。
つまり黒がそのままにしておくと白から取られてしまいます。
白がここに打つと黒は死んでしまいます。
つまり取られている状態です。
白から取れるので続けて打ってみます。
アタリの状態になったので黒も取られないように白の2子を取って守ります。
ここまでくると黒はわかりやすく1眼になって死んでいる状態です。
つまりここの時点で黒は死んでいるということです。
では逆に黒から打ったらどうなるか
黒から真ん中に打てば2眼の形になり白から取られることはありません。
つまり黒から打てば生きることができます。この場合だと2目の黒の地がある状態です。
このような急所やナカデも実戦や問題集で勉強して形を覚えていくことが大事になってきます。
補足
ナカデとはまた別ですが補足させてください。
この形は生きているでしょうか?
それともまた白から打てば死んでしまうのでしょうか?
正解は生きています。これも説明していきます。
形としては、さっきの3目ナカデの形より一目横に多い形をしています。4目横に並んでますね。
この黒石を取ろうと思ったら、3目ナカデのときのように急所と思われる真ん中に白石を打ちます。
このとき黒はこのように守ります。
すると2眼の形ができているので、もう白から黒石を取ることができません。
詳しい説明をすると
こっちに打とうとしても着手禁止点でアタリでもないので打てません。
こちらも同様で着手禁止点でアタリでもないので打てません。
白からこの黒石を取ることができません。
つまりこの時点で黒から手を入れなくても黒は生きている状態なのです。
3目ナカデのときよりひとつお部屋が広くなっただけなのに。
お部屋が広いと侵入されても余裕を持って2眼を作り生きることができるのです。
一概には言えませんがお部屋が広くなればこのように手を入れなくても生きていることが多いです。
極端な例で言うと上のように黒も白も広いお部屋だと、3目ナカデのときみたいに侵入して相手の石を取ることは難しいので、この時点で黒も白も取られない石つまり生きている石となります。
ちなみに黒い四角は黒の地、白い四角は白の地を表しています。
終局
終局後の生きている石、死んでいる石の扱いについて説明していきます。
上の画像は対局例を示しています。終局している状態です。
黒がひとつ死んでいるのと、それと別に白はアゲハマをひとつ持ってます。
アゲハマとは囲んで取った相手の石のことをいいます。
この白のアゲハマは、白が取った黒石になります。
終局後に、死んだ石とアゲハマを相手の地に埋めてから地を数えます。
生きている石で囲まれている空間が地です。
黒い四角が黒の地、白い四角が白の地を示しています。
数えてみると黒26目、白23目です。
この場合、黒が白より3目多いので、黒の3目勝ちといいます。
以上が、終局後の流れになります。
補足
ちなみにこの黒石が本当に死んでいる石、つまり取られてしまう石なのか確認していきます。
黒はアタリの状態なのでまず逃げてみます。
ちょっとはしょります。
黒は抵抗してみましたが白に取られていましました。
最終的に取られる石、つまりこの黒石は死んでいるということです。
ちなみに確かめればわかりますが、ここの黒石ふたつもどうあがいてもとられてしまうので死んでいます。
初心者にオススメの本
僕のおすすめの2冊を紹介します。
世界一やさしい手筋と詰碁
一番おすすめです。
石の取り方や石の生き死にについての問題集になっています。
かなり初歩的な問題から徐々に難しくなっていき、後半は10級レベルの問題もあります。全部で318題あります。
これを2回、3回と繰り返しやると石の形を覚えることができるのですごくおすすめです。
はじめての囲碁入門
対局の流れを確認したいならこっちもおすすめです。
囲碁の基本事項や終局までの流れをわかりやすく解説しています。
まとめ
囲碁のルールについて一通り説明しました。
おそらく石の生き死にといつ終局なのか判断するのが一番難しいと思われます。
前記事とあわせて復習してみてください。↓前記事

今の時代はアプリもあるのでコンピューター相手に実戦を積むのが囲碁に慣れる近道だと思います。
友達、家族とも楽しめます。
囲碁に初めて触れる方も是非楽しんでみてください。
では。
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